私たちがこのサービスをはじめたきっかけ、それは当法人の方針でもある「在宅生活の限界点を引き延ばすこと」です。
物価が上がり、少子化も進み、地域で高齢者が生活するのには苦しい状況が続くばかりです。最低賃金の高まりとともに医療や介護報酬は伸びるかもしれませんが、その分、年金で生活される高齢者の負担感は比例して増加するでしょう。物価が上がると自己負担も上がり、介護保険の限度額内で使えるサービスも限られてきます。費用が高い施設に入るにはさらにハードルが上がるのかもしれません。
介護予防が叫ばれる昨今、フレイル対策など、元気でいられることを推奨していますが、基礎疾患を有する高齢者の健康寿命の延伸は、専門職である私の立場からすると筋骨格や基礎体力の問題だけでは解決できないと考えています。テレビで見るような、「○○薬品を飲めば健康でいられますよ」とは行きません。高齢者もさらに年齢を重ねますし、その分疾病リスクも高まり、視力や聴力も低下し、物忘れもいつかは認知症となり、筋骨格・体力等の基本的部分の強化だけでは追い付かないのが現実でしょう。
短期間のサービスや地区レベルのサービスでは維持できるとは言い切れないのです。いつだったでしょうか、地域の高齢者が、お正月の餅つきの際、転倒し大けがをされました。生活が自宅だけとも言い切れませんし、それが生活なのです。
そういった中、当事業所の独自的なサービスを受けることで、ギリギリまで年金で在宅で自由に生活しながら、いよいよになった時、年金で入れる施設入所に移行することが徐々に叶ってきました。ご利用頂いた方、ありがとうございました😭。
元気な人は比較的元気なままで、継続的に生活することが可能になってきました。認知症の方は穏やかに周囲に適応され、昼起きて夜しっかり休めるようになり、投薬コントロールなども医師と連携しながら、夜も自宅では穏やかになるのでご家族は安心します。精神に疾病を抱える方は作業療法士が専門的な介入を行い、穏やかで落ち着かれることによりご家族は喜ばれます。そもそも皆さん、利用の際は楽しそうです。
今日、あるご利用者から、「私も元気でいて、最後は年金で入れる施設に入り、最期を迎えたい。そのためにここに来ている」と言われました。また他の方は、病院で検査数値から「もう内科的に特別な治療は必要ない。そこに通えたら良いですね。是非続けて下さい」と言われ喜んでいました。
私たちの役割は、これからの不安定な時代に対して欠かせないものになるのかもしれません。
短時間型自宅訪問フィット(自宅リラクゼーション依頼)も先週始めたばかりですが増えています。土曜日の午後のみですが、これも安価で提供し、介護事業所を利用する前段階から良い状態を保てるようにと支援することにしました。「専門職の目と技術を使う」ことは、最終的には在宅生活環境なども調整しますので安全性が高まり、それ以降の在宅生活の限界点を延すことになります。
昨今は市外からのお問合せも増えておりますが、法人の方針にそって職員一同支援させて頂きます。