「ありがとう」の価値

 近年、インスタグラムのSNSやグーグル・看板等の情報発信で何かしらのお知らせをする事業所がとても増えています。口コミに星が5つあり「こんないい場所があるなんて知りませんでした。絶対お勧めです!」、「こんなに良くなるなんてありえない。ここに行かないともったいない(^^♪」と高評価であったり、反対に悪評を書かれていたりなど、色々な意味で少し怖いなと感じます。当方は特にインスタグラムなどの動画配信などの宣伝は行っておりませんが、この「お知らせブログ」を見て頂ける方も徐々に増えてきております。どうすれば介護や健康・障害と向き合う上で、メリットやデメリットがあるのかを知りたい方へ、業界実情やリハビリに関する有益な情報をお伝えすることに意味があると感じています。

 最近、事業側から友人や知り合いに「口コミでよい評価を書いてよ。星つけてね」とお願いして回っていると聴いたことがあります。知って頂くという親切作業が、いつしか競争の媒体となり、真実味が曖昧になりつつあります。勝つか負けるかにこだわり過ぎてしまい、実情を知る者からすると、本当なのそれ?と疑問を持つこともあります。

 私達はそういった広報にあまりこだわりません。その理由は、価値基準の違いによるものかもしれません。私たちの仕事の目標は感謝されることではありませんし、多くの利益を出すことでもありません。単純にお困りの方のお役に立つことです。ご家族から「お宅があるから本当に助けられてる」、「命拾いした」、「ここまでしてくれるの」など言われることがあります。私達の仕事はこの頂いた数々の言葉の通りです。お困りの方のお役に立てたのであれば、それ以上の価値はありません。

 しかし、福祉といえども商売です。独立採算や損益分岐点などを基準に物事を判断するのは当然のことです。集客出来なければ苦しい実情が待っています。しかし、職員の数を減らしたり何かしらの経費節減を推し進めれば職員が壊れます。その職員が崩れれば、そのご家族にご迷惑をおかけします。そういう状態で、お困りの方を助けられるでしょうか。現場経験者の私からすれば、答えは明白です。誰にも言えないけれど持病を抱えていたりと、職員の実情は目に見えるものから見えないものまで様々です。健康はお金で買えない事もあります。膝や腰を悪化させ、最悪は職業人生を絶ってしまう場合もあります。経営の優先基準や方針は状態で分かります。会社選びをする際、1度見学に行き、そこの職員さんと話したり、入所者やご利用者と接してみるとよいかと思います。

 業界の人間関係は複雑なところが多いので、私は「同僚に迷惑をかけないようにするように努めることと、迷惑をかけるのはお互い様なのだから許しあおうという考え」のどちらとも必要という方針をとっています。その精神はご利用者にも伝わります。そういう理解のある人たちに、困っている方々は助けられていくのです。

 地域の方々も高齢化し、私が現場にいた頃の先輩方や団塊の世代の方が高齢になってきています。お役に立てるよう、事業規模の見直しや新規事業を考えたいと思いますが、あくまでもお困りの方にとって必要で利便性があり、安価であることを軸に検討しています。決まりましたら、またお知らせしたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。