大貞公園通りも桜が咲き始めました。真裏にある大貞公園はもうすぐ「桜まつり」です。是非いらして下さい。すでに桜が見事ですよ。
私たちの法人名には「アクティベーション」の文字が付いています。「活性する」という意味があります。このホームページのトップ画像でご覧頂くと、玄関に階段とスロープが見えます。もと旅館であっただけに、建築基準を満たしながら、練習用としても使用できるよう広さのあるものに改修しました。それにはこんな理由があります。
何処でもバリアフリーが当然です。普通、玄関なら大なり小なりの上がり框があります。介護認定を受け、住宅改修をすると20万円(自己負担あり)か福祉用具の貸与(介護度によって貸与できるものが違います)、福祉用具の購入も利用できますが、年齢を重ねるたびに状態も変わっていくので、それを見越して全てを改修することは難しく、20万円で足りる改修は難しい場合があります。あくまでも補助金ですので、そこは仕方ありません。
私は以前からある矛盾を感じていました。通所系の事業所では、自宅に送迎にお伺いすると、必ずといって縦に手すりをつけたりと改修はしているものの、玄関に上がり框があり、上り下りの支援が必要になります。中には一度座らないと靴が履けない方もいらっしゃいますし、時にはベッドまで寝かせる介助が必要な方もいらっしゃいます。
しかし、通所介護事業所に行くと車いすの方の利便性を中心に考え、コンビニにようにどこもフラットな状態で段差一つありません。送迎車両でも大きな車両の場合、上り下りが必要になり大きな動きが必要な場合があります。自宅では「バリアアリー」で過ごしていて、事業所では「バリアフリー」で過ごす。これに矛盾を感じていました。
最近、それをご利用者にお話しすると「私もそう思うのよ。意味ないわよね。」と言われていました。経験的に浴室やトイレ、玄関、屋外で転倒し骨折する方はとても多いのに、事業所は安楽・安全に過ごせる環境を中心に考え作られています。事業所によっては、簡易的な練習用階段はありますが、自宅の階段には両方に手すりがあったりするわけではありません。その為、模擬的になりがちなので、どこまで効果が出るのかも不透明です。
当事業所の場合、スロープは車いすの方用としてしも使用しますが、歩行練習用としても使用します。上るときは膝が上がり踵がつく必要があります。下るときは、足底全面、特に指で踏ん張る(スピードコントロール)が必要になります。階段も自宅での上がり框で有用なように改修しています。さらに車いすの方や認知症の方が動きやすい動線や安全性にも配慮した玄関にしました。限りなく自宅環境に近く、かつ安全に過ごせることにこだわりました。
もともと「すみれ荘」という旅館でしたので、人が過ごしやすい環境と広さが備わっていたことが幸いでした。利用し続けて頂くことが、自宅での生活の継続につながるよう、環境以外でも工夫しながら進めて行きたいと考えています。