通所リハビリ(デイケア)と通所介護(リハビリも重視する)の違い

 通所リハビリ(デイケア)と通所介護(デイサービス)の大きく異なる点は、通所リハビリは、①医師の常駐、②利用する前に初回受診が必要な事、③通所介護よりも単価が高い(ご利用者の自己負担額が多い)ことに大きな違いがあります。通所リハビリの場合、配置基準上、専門職数が少なく人員配置の少ない事業所もあり、当事業所に徒手的なリハビリを求めて来られる方もいらっしゃいます。また通所介護と地域密着型通所介護も異なります。①後者は市内の住民である事(他市の場合は住所地特例の届出が必要)、②18人以下の定員、③こちらも通常の通所介護よりも単価(ご利用者の自己負担額)が高くなります。特に通所介護(地域密着型通所介護を含む)は、看護師が機能訓練指導員として兼務若しくは配置している事業所が多く、経験的に看護師さんはリハビリ専門職ではないので、「どう対応したら良いか分からない」といった声が多く聞かれます。他にも違いはありますが、それぞれの特徴差で見るとこれほどの違いがあります。

 特に費用の面だけでも長期的な面で計算すると大きな差にもなります。今後、ご利用を検討される場合は、その事業所が通所リハビリか通所介護か、専門職等の配置はあるか、そしてしっかりとしたリハビリが可能か、車いすや寝たきりの状態になっても利用できる設備があるか、ゆっくり過ごせる時間や環境があるのか、アクティビティなど充実しているかなどが選択するポイントになると思います。いずれの事業所も送迎サービスはありますが、利用開始時間や終了時間を柔軟に対応して頂けるかも大切ですし、病状に応じた食事形態を提供して頂けるかも必要な情報です。

 人生は1度きりです。誰もが大病の危機や病気を経験すると、健康の大切さも感じますし障害や痛みなどの不安・苦痛は相当なものです。私たちの事業所ではリハビリばかりするわけではなく、その方の障害や病状に応じて行い「在宅生活が出来るだけ長く続けられること」を目的にしています。

 訪問看護によるリハビリ(専門職だけが訪問する訳ではありません)や医療機関からの訪問リハビリというサービスもありますが、経験的に効果を出す難しさで悩むことがありました。リハビリも受験勉強と同じで基礎を積み上げて応用(実際の生活:応用的生活動作)に転じます。この基礎基盤が十分でないと効果は難しいように思います。その為にはリハビリ機器等やバリアフリー、実際の生活空間に類似した環境設備が欠かせません。

 例えば、整った設備や環境の中で、自宅で転倒リスクが高い方の基礎的な訓練や疼痛軽減を図り、自宅内での安定が確認された後、事業所の裏側にある大貞公園に「桜のつぼみを見に行く」という応用動作や、介助者がご本人が立てず抱えるのが大変な場合は、寝返りや起き上がりも含めて自由にできる環境はもちろんの事、そもそも筋力低下や麻痺の影響、関節の固まり(可動域の低下)といった基礎的なも問題を見直した上で、ベッドから車いすへの移乗動作に応用して行きます。

 話は変わりますが、もうすぐ桜まつりなので、満開になれば皆さんをお連れできればと思っています。

 次回は、皆様からよく聞かれる、「理学療法士」と「作業療法士」の違いについてご説明いたします。心に悩みを抱える方、認知症の方、発達障害のお子さんを抱える親御さんにとっては大切な情報かと思いますので、よろしければご覧下さい。