#桜 #土曜のグループ創作活動 #魚は頭から腐る #大貞公園が見頃

 この医療・福祉介護業界に入って、比較的多くの方の最期と関わりました。桜の咲く前に前職を退職致しましたが、心残りは多くの入居者の方から「最期までここで頼むな施設長さん。あんたがおるから安心している」、家族も「施設長さんを私も親も頼りにしてます。どうかよろしくお願いします」と言われていたのに約束を果たせないままになっていたのが気がかりでした。

 病院受診にお連れすると「施設長さんがついて来てくれるから息子たちよりも安心」と言われ涙ぐむ方もいらっしゃいました。残していくご家族へ言葉に出せない不安もあったのでしょう。コロナ禍でしたから面会制限もあり不安は想像以上だったと思います。

 あれから2年、たまたまあるご入居者のご家族様にお会いしました。そしてご両親の最期の時のことを伺いました。退職の時は遠方から帰京されたご家族に退職の話をすると複数で涙されることがありました。大変、心苦しかったので、それを契機に他のご家族も不安にさせてはいけないと想い最後まで退職のことを言わないようにしていました。それが良かったのか悪かったのかは今となっては分かりません。ですが、今でもこうやって偶然ご家族にお会いすると、当時の入居者の方々とのやり取りを思い出させて頂きます。墓前に「感謝をお伝えください」とお願いし失礼させて頂きました。退職の数カ月前より今後の事業を既に決めておりましたので、次の転職はなく会社に対して退職の在り方も含め特に気にしておりませんでしたが、ご家族の皆様方はどこの施設に行くのかを気にされたいたようで申し訳なく感じております。

 施設の夜勤は怖いという介護・看護職員さんが時折いらっしゃいます。確かに暗い中怖いでしょう。少ない職員の中、いつどうなるか分からない方の対応をしながら、認知症の方や転倒や転落などの予期せぬ事態の予防などの責任も重大です。さらに「誰もいないのに音がした」「何か動いた」「誰もいないはずのベッドからナースコールが鳴った」などの噂話を聞けば聞くほど恐怖もあったりします。実際はそんなことあるわけないのですが……。

 職員からそういう恐怖体験を相談されると私の考えを伝えていました。それは「一生懸命携わり、相手に思いやりのある仕事をしてきたのであれば、おそらく入居者や入所者はその人に感謝することはあっても恨むようなことはないと思う。だから私は怖くない。皆さんは仕事が上手く行くようにあの世から見守ってくれているはず」と介護の姿勢みたいな持論ですが、我ながら的を得た勝手なアドバイスだと思っています。

 残念ながら本当に恐ろしいのは生きている人間のほうかもしれません。誠実さや律儀ささえ感情で消せますし、集団帰属意識を求めることも出来ますし、それを武器にも出来ます。何かにすがり利用することも出来ます。残念なことを普通に出来るようにもなります。残念と分かっている人も同調圧力には勝てません。それが人間の恐ろしいところなのかもしれません。

 今回は看取りと施設介護の醍醐味をお伝えしました。入所者や入居者、利用者は一人一人の仕事ぶりを観ています。あの人なら大丈夫、この人が夜勤の時は怖いなど、あからさまに雰囲気で分かります。仕事に対する意識次第でどのようにでも評価されます。

 会社全体としてみた場合「魚は頭から腐る」と言います。そういう雰囲気の現場は頭にも問題があるのかもしれません。私も久々以前の職場のご家族にお会いし、法人の頭としてそうならないように気をつけたいと感じました。