いつもブログをご覧いただきありがとうございます。中津市「リハケアあるく」の岩﨑です。ちなみにこのブログは集客営業目的でもありませんし、今後に残したいことや有益だと思う情報を勝手に皆さんにお伝えするだけのものです。
私が臨床実習指導者(スーパーバイザー)だった頃、おそらく学校数も過去最多で若手の療法士が最も増えた時代だったと思います。
私は「分かりませんでした。教えて下さい」を全く受け入れませんでした。
受け入れたのは「医学書のこの部分をここからここまで読んでも理解できませんでした」とか、「この文献が意味する効果を実際やってみたが上手く行きませんでした」などの努力の痕跡が見える質問しか答えませんした。
それは努力のない者には何も生まれないし、これから臨床で向き合う方々に失礼にあたり、臨床に出ればも苦しむことが容易に想定できたからです。
これは学校の勉強でも同じことだと思います。出来なくて苦しむから「意味や価値」が生まれるのです。
今日は「痙縮のリハビリテーション」の考え方の一部をご説明します。一般的な内容より多少マニアックになります。
痙縮のリハには【 相反神経支配 】と【 クローヌス 】の機序の理解は避けられません。一般の方には全く馴染みのない言葉ですが、脳の内包という部位に損傷を受けると比較的出現しやすい嫌な症状になります。
まず、相反神経支配とは、動こうとする筋肉には「その筋肉に対して拮抗する筋肉」が存在し、重要な役割を果たしています。
例えば足首を背屈(上に向けること)しようとすると、前脛骨筋という脛にある筋肉が作用します。
この動きがスムーズに起こるためには、裏側のふくらはぎの「ヒラメ筋」と「腓腹筋」が緩むことで背屈が出来るようになります。その反対の動きもしかりです。
この仕組みが崩れると足をついた瞬間などガクガクと幾度も痙攣します。脳が損傷した結果、ふくらはぎの筋群が緊張下になり、拮抗筋である筋はその緊張に耐えられないのでクローヌスが起きます。
これを反射の亢進と言います。どこの場所・部位でも起きます。脳の抑制が損傷によりこの機序が正常に働かない状態に追いやるのです。
ここでプロは拮抗筋をどう利用するかを考えます。拮抗筋に対する技術やアプローチによって今後の状態が変わってきますので、姿勢がとうとか、骨盤の位置がどうとかなど一切関係ありません。
関係あるのは神経の機序と緊張や弛緩に対する経験と理解のみです。
若手の療法士はおそらく緊張が高い場合、その状態を緩めようと考える人も多いかもしれません。私は違います。
痙性は緩めることもあれば利用できることもあるのです。何もしなければ痙縮から拘縮(固まること)や短縮(筋肉そのものが短くなること)に移行します。
それを理解していないと在宅生活で本当に必要な装具などの調整や作成が出来ません。病院のようにバリアフリーではないのが退院後の現実です。いくら病院で動けても同じにはなりません。
退院前の在宅調査にいった程度で在宅を見通せたら天才です。それが出来れば誰も自宅生活が出来るようになりますし、軽介助でも介護負担なく過ごせる場合も増えます。
実際はそうは行かないことのほうが多いのが現実です。
今日は他の作業療法士に上肢の肘の痙縮時の伸展と上肢帯コントロールを伝えました。痙縮を活かすには徒手的手技は欠かせません。拮抗筋に物療もありますが効果は弱です。
痙縮状態の筋肉を伸ばすことだけに意識すれば痛みを伴います。でも伸ばせないと拘縮に伸展します。分離(動かせるようになること)なんて夢のまた夢です。
今日ご協力頂いた方は「上肢帯全域が今まで以上に動かせるようになった」と喜んでくれました。
今回は脳卒中の徒手的アプローチと考え方を少し紹介しました。
最新機器は確かに効果があるものもあります。でもそれを取り入れて改善した例をこの療法士人生で経験したことがありません。私が知らないだけと思いますが、あれば既に医療保険下で実用化されているものも多いと思いますし効果も皆さん得ています。
前回のブログで「心の無い技術は意味がない」とお伝えしました。プロですから結果にこだわるのは当然です。
しかし、想いがあるからこそ「どうすればよいか」の壁にぶちあたるのです。だから技術が先ではないのです。この言葉の重みを受け止められる療法士は自身が求める域に達するのではないでしょうか。
冒頭の様に私はバイザー時代、多くの子を教えてきましたが、合否は「ここに気づけたか」それだけです。今は各専門機関等で活躍してくれている子達がほとんどですが、その子たちが頑張る事でお困りの方の未来が明るくなることを願ってばかりです。
話は変わりますが、【 アルプルの森 comichi 】に変わったオーナーがいますから遊びに行ってみて下さい。私の家のガネーシャはここから来ました(^^♪。
本当に数年に1度程度も会うこともない彼ですが、宜しければ面白い場所なので一度は立ち寄ってみて下さい。

